魔女っ娘委員会の活躍により、悪の親玉――リリアンも尻尾を巻いて逃げ出した。
ようやく学園に平和が訪れたのだ!

だが、学園に平和が訪れると共に、役目を果たしたクルルは魔女界に帰らねばならない。
プリンセスであるが故に、故郷を放ってはおけないのだ。
悲しい別れの時が近づいてくる……。

だが、涙を流すことなかれ!

「俺達は再び会える! いいや、会いに行ってやる!」
そう約束を交わし、クルルは魔女界へ戻ることを決めた。

人間界と魔女界をつなぐゲート――中庭の噴水で、魔女っ娘委員会最後の大仕事が始まる。
それはゲートを開放し、クルルを魔女界へ帰すこと。
魔女っ娘委員と使い魔みんなの力が合わさり、ゲートは眩い光を放つ。
魔女界への入り口が開かれたのだ!

クルルは笑顔のまま、光の中へと溶けていく。
同じように笑顔で見送る君。

だが、君の心に誰かが語りかけてくる!

――行かせてはならぬ――

君は、噴水めがけて駆け出していた。
クルルを一人で行かせちゃだめだ!
そんな気がしてならなかったのだ!
そして、君は光の中へと消えていく。
林檎とキチえもんも、慌ててその後を追っていく。



目を開けると、そこは異世界と呼ぶに相応しい景色が広がっていた。
ここが魔女界……。
しかし、話に聞いていた情景とは全く異なるもの。
優しく暖かい光が満ち溢れる世界とは違う。
そこには光を失い、闇に染められた世界が映し出されていた。
果てしなく広がる平原。
宙に浮かぶ島々。
精霊達の住む聖地。
ずっと夢見てきたファンタジーの世界を前に、君は身を震わせてこう言った。

「俺……わくわくしてきたぞ!」

こうして、君の新たなるヒーロー伝説が

幕を切って落とされた!!