あなたは人の為に、笑えますか?

■プロローグ

舞台は冬も始まったばかりの望美ヶ丘の街。
そこに構える一つのケーキ屋、ひよこ館。
主人公――矢口翔一はそのひよこ館の長男で、若くからケーキ職人――パティシエを目指し、
ひよこ館の店長である父親と共に、お店を盛り上げていました。

ですが、とある理由により2年前から親元を離れ、一人学園生活を過ごしていた翔一。
ある日、父親から「腰をやっちまった。ひよこ館を頼む」という一本の電話が。
元々父親だけで回していたので、ひよこ館はとんでもない窮地に陥ってしまったのです。
翔一は学園を休学させられて、ひよこ館に戻ってくることになりました。

そして親父の代わりにケーキ職人――パティシエとして働き始めます。

そこで翔一を迎えたのは――
久しぶりに出会う幼馴染み。
父親の代わりに働いていた先輩パティシエール――女性ケーキ職人。
新しく出来たライバル店、ショコラ・ル・オールの娘。
そして謎の猫魔法使い。

ケーキ屋が一番忙しくなるクリスマスを目前に、翔一の新しく懐かしい生活が始まります。

■なぜ『ケーキ屋さん』?

このゲームはケーキ屋(以下、パティスリー)を舞台にしています。
ケーキといえば、みなさんはどんな時に食べますか?
誕生日やクリスマス……もちろん、甘い物が食べたくてという方もいらっしゃるでしょう。
どれも共通して言えるのは、ケーキを食べているときは笑顔でいっぱいになっているということ。
そんなパティスリーに集まる人々と、ケーキを食べる人たちの笑顔。
なにより女の子は甘い物が大好き。
可愛い女の子達が放っておいても集まってきてしまいますよね(笑)。

そんな心暖まる雰囲気の中にみなさんをご招待いたします。
パティスリーの中で起きる日常の様々なドラマを主人公とヒロインがケーキを通じて協力し、解決していきます。
ケーキ屋が舞台なので、ヒロインとの恋愛を彩るのもケーキがなにかしら絡んでくる、というわけです。
あなたも、パティシエになってみんなの素敵な笑顔を見てみませんか?


■なぜ『にゃんこ』?

ひよこ館に戻ってきた主人公は父親に代わって店を切り盛りしようとしますが、
初日に出くわした猫の魔法使い『ミオ』に間違って魔法をかけられてしまいます。
それはなんと『猫になってしまう』という魔法だったのです。
大黒柱がいないひよこ館。それを支える主人公の身に起きた災難。
主人公は夜になると不定期に猫――にゃんこ――になってしまいます。

でも猫になるのは悪いことばかりじゃなくて、楽しいハプニングも続出。
気になる女の子が猫だと思って警戒もせず、胸を押しつけたりお風呂に入ったり……

ただそれだけでは、ありません。
猫になることでヒロインの裏側を垣間見ることが出来ます。
これをすることによって従来読みとれなかったヒロインの心情を表現することが可能になりました。
あくまで『主人公の視点』を崩すことなくプレイヤーに直接ヒロインの心理描写を訴えかけます。
そうすることにより、キャラクターに対する想い入れも増え、
主人公(プレイヤー)が取らねばならない行動を意図的に導くことが出来ます。
こうすることで『プレイヤー=主人公』という一体感を得ることが可能になります。
より一層、感情移入がしやすくなるでしょう。


■なぜ『冬』?

冬は吐く息も白く、なんとなく寂しくて……なんとなく切なくなる季節。
けれども、心は暖かいなんてことを思ったこと、ありませんか?
寒いと寄り添って歩いてみたくもなりますよね。
手をギュッと握って、お互いの温もりを確かめ合う。
そんな物語の似合う季節といえばやっぱり冬でしょう。

それに、パティスリーにとって冬は売り上げが伸びる季節ですから……(笑)。

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